契約の種類によって差がある

従業員数の増加などにより産業医の選任が必要になったら、医師会や産業医紹介サービスなどを利用して探すでしょう。

産業医の選任は法律上義務付けられているものですが、産業医に支払う報酬は、契約で自由に決められるようになっています。相場をよく知らないと高めの金額で契約してしまうこともあるでしょう。そのため、産業医の報酬相場を把握しておく必要があります。

産業医を選任する際の契約は嘱託か専属のどちらかです。従業員数が1,000人未満であれば、嘱託で問題ありません。

嘱託の場合には企業内に常駐するわけではなく、必要なときだけ来社するという形になります。また、複数社で嘱託産業医として契約している産業医も多いです。

月単位で報酬を支払うのが一般的で、50人以下の規模なら1ヶ月75,000円程度が相場でしょう。199人までなら1ヶ月10万円程度、399人までなら15万円程度という具合で、人数が多ければそれに応じて高くなります。600人以上999人以下くらいなら25万円程度です。

専属産業医は報酬も高め

従業員数が1000人以上の場合には法律上、専属産業医の選任が義務付けられています。専属産業医というのは、概ね週に3日以上事業所に勤務するという形態の産業医です。

また、1日あたり3時間程度は事業所内にとどまります。そのため、嘱託産業医と比べると、従業員と顔を合わせる機会も多くなるでしょう。また、基本的に複数社を兼任することができません。

そして、嘱託産業医の報酬は年額で決めるのが一般的で、1,200万から1,500万円程度が相場とされています。また、事業所の従業員数よりも、1週間の出勤日数を基準にして決めることが多いです。出勤日数を少なくすれば、報酬も割安にできるでしょう。

1週間に1日程度なら年額300万から400万円程度が相場です。ただし、出勤日数が少なければ、産業医に任せられる仕事も少なくなります。逆に週5日出勤のような場合には、年額で1,500万から2,000万円程度とかなり高額です。

また、事業所の従業員数が3,001人以上であれば、2人の専属産業医が必要になります。